<議論してみませんか?>(分かり切ったこと)
1999.08.22 岡安to常勤役員会
(1)経営の改善、再建の見極め
- 一定の規模の生協での赤字構造は、多くの経験から見ると、「赤字要因の外部転嫁」と「他から学んでいない」の2つに尽きる。そして往々にして「粉飾決算」で事態を隠して抜き差しならない局面に至る。(学び合い、励まし合いの欠如)
- 赤字の克服には必ずしも正しい方針を必要としない、正しいか否かで議論を続け、行動を躊躇しているよりは、「改善しよう」という意思を持った日常行動が赤字を減らしていく。そのために常勤役員には権限と責任と報酬が付いている。方針は決めてその後修正することだってある。
- その日常行動と理事会で決める改革方針の関係は常勤のリーダーシップに尽きる。リーダーシップには固い決意と寛容性が同居する。理事会では「何のために赤字を克服するのか」が確認されれば仕事の半分は済んだと言える。決して「克服のために何をやらせるか」の論議ではない。
- 経営の改善は、本質的に理事会を先頭に「改善しよう」とする生協職員、組合員が多ければ多いほど早い。コミットする生協職員、組合員を増やすのが前述の仕事残り半分。しかし中には、生協職員総体の技術力の無さで赤字になるのもある。そういうところは組合員の関与が無くとも赤字は克服できる。
- 赤字になっている生協は、ビジョン(方針)や技術力云々する以前に、信頼関係の有無を調査するのが先である。理事や生協職員から信頼のない常勤役員に、外からビジョンの必要性や技術の必要性を語ってもなにも改善できないであろう。組織的執行力を喪失しているのだから。
- これは常勤役員が悪いという問題に単純には帰着しないが、往々にして常勤が悪い場合が多いと認識しておくべきである。それが常勤というものの宿命である。要は、より広がりを持った視点からの助言が必要ということ。
- したがって、自発的意思を持った大学生協どうしの交流が大きな力になる。経営の自己責任の上に知を培う連帯活動の必要性が生まれる。地域センターはそんなところに大きな意味があると言える。
- 経営の再建の第一歩はとりあえず「止血」である、でないと死を迎える。要するに単年度だけでも「赤にしない」ことである。心機一転も、単年度赤字は2年連続が限度であろう、3年以上の連続はいわゆるマンネリ(そんもんだとなって)となって構造化する。しまったら結局後の人が苦労する。
(2)経営改革に特効薬はない
- 何か売れるものがあって、それを商品部が見つけだせば収入が増える。何かないかなぁ、と青い鳥を探し求め続けても、そんな都合のいいものはない。青い鳥は結局足元にあるのだ。はっきり言って、新規事業は赤字克服の特効薬ではない、逆に赤字創造でさえある。新規事業は組合員とのニーズ・ギャップを埋めるために必要な方向にすぎない。
- 兎にも角にも、「組合員の生活に、キャンパスになくてはならない大学生協」→そのことに「一所懸命な大学生協」「専念している生協」であること。そのことを組合員・諸関係者が認めていること。内容は大学毎にニュアンスの違いが起きるが、いずれにしても「?」と見られたら「×」(ビジョンの出発点)
- 大変なのは、「勝負に勝った体験がないと勝ち方が分からない」(ex.黒にする、事業連合を動かす)→どうするか<打開の道→小さくとも経験の蓄積> 組合員の接点の場で(通常は店舗など)組合員に良いことは実行し、しつこく続けること、この繰り返しに尽きる。
- 冷静に、季節変動と仕事の濃淡(新学期と休暇期)、キャンパス営業日数(土日閉店、長期休暇)の問題を掲げて対処する時期に来ている。→経営の困難な要因は現場が知っている。食堂はインターネットに無関係。連帯を駆使して、「小さな全体」の実現を。仕事に充実度を高める方策を。
(3)2K年度を見るに
- 大学生協は今、どう見られているか? 直す必要がありやなしや
- 何を組合員の接点で改革すべきなのか・
- 連帯活動は、どう貢献すべきなのか?
- 地域/全国センターの思いは何か?
第1次;1999.06.15
第2次:1999.08.22