有斐閣『リーディングス 日本の企業システム』第1巻「企業とは何か」より
1993年01月発行

形式情報と意味情報との特性比較


形式情報 意味情報
機能的な側面
  1. おどろきはない
  2. 冗長性を避ける(最少有効多様性)
  1. おどろきがあり、何かが見えてくる
  2. 冗長度は戦略的に重要である(ゆらぎ)
存在論的な側面
  1. ロー・コンテクスト
  2. 普遍的であるので、人間の判断は静的である。
  3. 人間的相互作用を必要としない
  4. hands -off(無駄を省いた抽象化
  1. ハイ・コンテクスト
  2. 場にコンティンジェントであり、動的である
  3. 人間的な相互作用を必要とする
  4. hands-on(具体、体験、暗黙知)
意味的な側面
  1. 意味付与(既存の概念を使う)
  1. 意味生成(新しい概念を創る)
組織的側面
  1. メカニズム/エントロピーに対抗する
  2. 自己完結化
  3. コンピュータネットワーク
  1. オーガニズム/エントロピーのなかに生きる
  2. 自己組織化
  3. ヒューマンネットワーク

情報処理と意味生成------組織、集団、個人レベル


情報処理 意味生成
対環境
  • 環境の多様化に応じた組織の多様性を通じた環境対応(例えば分社)
  • 環境の多様性に対して意味探しを通じた組織化(例えば、経営理念)
組織レベル
  • 全体としての組織に対する異質環境に適応(例えば事業部の数)
  • 全体としての組織の活動の意味付けと存在根拠の樹立(例-複数の事業部を括るドメイン定義)