<討議資料レジュメ>1987.3.20 経営委員会より

大学生協連情報システム問題での提起:討議開始にあたって

岡安 喜三郎

[I] 何のためのシステム

なぜシステムか−−システム化への動機
  −−−時代の変化と競争の中で−−−

  • もろもろの動機
  • 費用削減、経営資源の有効活用(システム化してコスト を下げたい)
    事業経営情報の効果的・効率的編成、時間短縮
    空間活用(場所ばっかり増えて、....もっとコンパクト に)
    収入増加(顧客管理とセールスプロモーション、サービスのレベルアップを)
    等々
  • 高度情報化社会の到来への対応と切迫感
  • 「経営資源」概念の変化
    「人、物、金」から「人、物、金、情報」へ(+時間、空間)
    (情報を効果的に使うかどうかが経営を左右する時代へ)
    「情報の流れを中心に経営管理の構造を変えつつある」

システム問題といくつかの概念

  • 「ローコスト」化
  • 機械化 →/EDPシステム/
  • 省力化 {作業カット、機械化、オートメ化etc.}
  • システム化  各業務システム、管理システムetc.
  • (事業経営活動の)情報システム化{上記を包含するもの}
        情報をもっと目的意識的に
  • 「情報型組織は、必ずしも先端的な情報技術を必要としない。必要なのは、誰が、どのような情報を、いつ、どこで必要としているかという問いを発する意思である。」(ドラッカー)

[II] 情報システム化を展望した時の現状認識

  • 個別単協や、事業連合毎のEDPS化は、進行しつつある。しかし、「信頼ある数値づくり」のシステムの基盤に立ってない場合がある。さらに、それぞれ「個性」がありすぎる。
  • システムを組んだが発展性が涸渇している。(個別対応ができない)
  • もっとこまめに情報を知りたいが、システムが対応しない。
  • EDPを超える途端、膨大なコストに見舞われる。「費用対効果」に不安がある。(←たぶん、現状のマネジメントシステムに無駄がある)
  • 連帯の場でのシステム展望がでない。ネットワークにたどりつけない。
  • あっちこっちで「○○システム」とか「××システム」とか言うけど、そもそもシステムって何だ?「システム」のシステマティックなとらえ方っていうのがあるはずだが。
  • その他
  • [III] 大学生協の情報システム確立にむけて

       ○ なぜ連帯の場における情報システムか?

    大学生協の歴史は連帯の歴史。今後もそうであろう(「新しい協同をめざして」)。
     このまま行くと(10年、15年を展望すると)、情報システムが連帯に追いつかない、すなわち、システムがないために事業連帯が遅れる、もしくはシステム(水準)に規制されて連帯が進まない状態が生まれるかも知れないのである。
     我々は、10年後を展望して情報システムのありうるべき中身を検討する。

    1. 大学生協のシステム構築に当たっての考え方。
    2. 人の可能性に賭け、システムでフォローする。(人間尊厳の原則)
    3. 事業連帯活動を強化するシステム。単協の総合性を保証し、事業連合のスタッフ機能が強化され、大学生協連の指導機能を推進す るシステム。(連帯の原則)
    4. 共済、旅行、サービス、購買(物品)、書籍、食堂など、事業分野別の特性を生かすと共に、それぞれのマネジメント、オペレー ションのシステム統一をめざす。(個別性と統一性)
    5. 発展する組織的要望に答え続けるシステム。開発費用にもかかわるシステム自体の発展を含めて。(柔構造の原則)
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      ・大学生協事業の全国システムの確認
         事業連合システムと単協システム
         大学生協連システム
        全国物流の可能性は考慮にいれておく
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    6. 情報システム構築にあたっての論議事項
    7. システム理論のパラダイム転換
        「全体と部分」から「システムとその周界領域」へ
    8. オープンシステム/クローズドシステム
         O/Cの境界 <==>連帯の質、事業の質にかかわる。
              マネジメント問題

    →全てのシステムをサブシステムとして構築 「サブシステムとは、そのシステムが他のシステムとコミュニケーションを持つために、ある接続要件(接続規格)を満たしているものを言う」こととする。
     そして、サブシステムは、一般的に、DB系統(データ及びその操作系)とEDP系統、CI系統(コミュニケーションインタフェース)などの網の目の組み合わせで成り立っていく(はずである)。
     サブシステム構築のあかつきには、「サブシステムの中に0個以上のサブシステムがあり、サブシステムを合わせてサブシステムが出来上がる」ようになっているであろう。


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