岡安喜三郎 協同組合の国際組織、ICA(国際協同組合同盟)のアジア太平洋地域総会が六月二九日と三〇日の二日間、シンガポールで開かれました。総会にはICA会長のロドリゲス氏(ブラジル)も参席し以下のような力強い挨拶をしました。 「前回のソウル大会(九八年)では、経済のグローバル化が貧困、不公平、失業を増やしつつあることを認識し、協同組合が競争力だけではなく、構造、組織、経営を変えていくことを確認しました。現在グローバル化の中で、連帯がくずれ、倫理がくずれているとのローマ法王の指摘があります。我々は従来の四つの資本、すなわち自然、人間、金融、モノに加えて五つ目の社会資本(絆や信用)を蓄積しなければなりません。これをやりきるのが協同組合の責任であると思います。協同組合の可能性として、大切なものに雇用の促進があります。したがって今年の協同組合デーのICAからのメッセージは『協同組合と雇用の促進』としました。」 この地域総会に先立ち、「第一回アジア太平洋地域協同組合フォーラム」が開催されました。テーマは「新千年紀にあたり、我々は変化しつづけているのだろうか?」です。参加者は二十九ヶ国三百八人でした。 一日目の開会式だけは金属探知機の安全チェックを受けて入りました。インドネシアのメガワティ副大統領の基調講演があったからです。いくつかの儀礼的な挨拶が続いた後、真打ちで登場したメガワティさんは「協同組合はおよそ良い運営(ガバナンス)に執着すべきです。しかも状況如何で変わるものではなく、協同組合自体の基本性格となるべきものです」と前置きし、その良い運営の基準とは「予見性、透明性、説明責任、持続可能性の四つ」と指摘しました。私も思わず納得、内容的になかなか迫力ある基調講演でした。 地域フォーラムはその後、「ガバナンス問題」「法制化問題」「技術革新」「資金調達」等の分科会に分かれ、二日目に、カナダのイアン・マクファーソン博士が全体のまとめを行いました。博士は九五年のICA宣言(新原則)の起草者ですが、かなかな洒落の好きな人のようです。 マクファーソン博士は二日間のフォーラムで、まず以下の点が論議の対象になったものとして六点を紹介、 ○専門的マネジメント 続いてその返答として、以下の六点を提案、 Kアイデンティティの確認 頭の英文字は、博士が英語で使った頭文字で、博士は「結局二十一世紀は、日本語にある『生きがい』が大切になろう」とまとめました。関係ないようなところで思わず感心する場面でした。 <追加>上記マクファーソン博士のまとめは英語で見ると分かりやすいものです。 まず論議の対象にあったもの(ISSUES)は 6月24日には大学生協協議会、25日には生協委員会が開かれました。 シンガポールから無事帰ってきました。帰ってきた日本はシンガポールより「暑い」!
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