カナダ・ケベック州の大学生協

1999.09.27 岡安喜三郎
栗木 敏文


1. ラヴァル大学協同組合「ZONE」訪問記

 「ケベック市のラヴァル大学にスチューデント・コープがあるはず」――日本を出発する前、インターネットから検索した情報を頼りに、ラヴァル大学に突撃訪問をしました。COOPはモーリス・ポラックというビルにあります。かなり大きなビル(100m×60m位か?)の1階が「学生生活支援ゾーン」で、"BAR"と書かれた食堂(昼は出さないがアルコールカウンターもある)等と並んで「COOP」があります。いわゆるアメリカ型のカレッジストア店舗と言えます。突然の訪問にも係わらず、英語のしゃべれる専門書担当のジャン-ピエールさんから大変温かい説明をいただきました。

 1階にコンピュータ、文具、教科書以外の書籍、バッグなどでざっと200坪程度のフロアです。地下は教科書で、カスタム教科書もおかれています。約100坪ていどのフロアです。地下には、別途倉庫があります(100坪ほど)。コープ「ZONE」の本部事務所は、同じ建物の3階にあり、アメリカなんかの会社オフィスと全く同じ清潔さと配置です。この店は、3年前に営業権を買って改装したもので、以前は(おそらく業者で)店づくりが保守的で、学生から人気がなかったと言っていました。
 このコープ「ZONE」はこの店舗を含めて4つの店舗を持っています。

◆ Pavillon Maurice-Pollack : 専門書籍、教育・情報関連用品
◆ Pavillon Adrien-Pouliot : 理工系の教育・情報関連用品
◆ Pavillon Charles-De Koninck : 法律・社会科学系の教育用品
◆ ヅifice La Fabrique : 教育・芸術・情報関連用品

(このキャンパスには32のPavillon(分館)があり、寒さ対策のためすべて地下でつながっているとのこと。また以前女子学生を襲う不届者がいたので監視カメラを設置した。今はそういう事故は無いとのこと==何故こんなことを教えたのかは分かりません)
 現在のコープ「ZONE」は1996年に3つのコープが合併してできたものだそうです。
 店舗の入り口付近の看板には「MEMBRE COOPSCO」(ケベック州学校生協連合会の会員)の文字も見えました。

2. ケベック州学校生協連合会 

 名称は「
F仕屍ation des coop屍atives qu暫残oises en milieu scolaire (FCQMS)」です。
 ケベック州には1944年から学校生協が存在していました。連合会は1983年に設立され、現在は59の学校生協が加入しています。連合会の会長は学生がなっています。

 連合会は、4つの価値(@民主主義、A連帯、B責任、C公正)を位置づけて事業を進めており、1998年度事業高は約4850万ドル(約40億円)です。ここ数年の伸びは順調で、94年1950万ドル、95年2450万ドル、96年3990万ドル、97年4650万ドルのようです。

 COOPSCOの名称は「COOPSCOの旗の下に再結集して、FCQMSの会員協同組合は1億ドル以上の事業高を実現した」という記述の中に見られます。


1999年10月8日全国大学生協連理事会に報告

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