ICA(国際協同組合同盟)ソウル総会出席日誌
2001年10月12日(金)〜18日(木)

V.2 岡安 喜三郎

10月12日(金)

午後1時30分、成田出発、同じ飛行機には大野、栗木(大学生協連)、新田、水口、小野田(大学生協連学生理事)、十河(協同組合経営研究所研究員)の各氏。
新しい「仁川国際空港」に到着、土地もターミナルも雄大な空港だ、仁川市沖の島々の間を埋め立てただけのことはある。何故か十河さんだけ荷物チェックをされる。
韓国生協連大学生協特別委員会の朴京泰さんが出迎え。5時に彼の車で出来たての高速道路を一路ソウル市内へ。ソウル市内に入る手前で高速降りる(ここまで30分)--だがその後市内通過に1時間かかった
ホテルは「クローバ観光ホテル」
夕食は、いろいろ回ったが結局ホテル近くのカルビ専門店へ。

10月13日(土)

9時からICAユースセミナーなので、8時30分発の「ホテル−COEX(会場)」間シャトルバスに乗るところ、遅れて結局タクシーで会場へ。ほぼ2Km強で料金200円。しかし、バスより速く着いた。会場には労協連からのセミナー参加者が着いていた。鈴木(牧野)さんからオブザーバー証受け取る。
青年の参加者は50名程度。セミナーは夕方まで続く。ロドリゲス会長の挨拶の後、キーノート・スピーチはイギリスのライセスター大学ピーター・デイビス博士。途中、リサーチ委員会のメンバーが加わった。全体として一所懸命「注入」するセミナーの印象。
博士は「世界の主要な問題は貧困ではなく、心の問題だ」と、テロもそれを行う心が問題などと述べる。典型的観念論的信念ともとれる。フィリピンのリチャード君が障害者問題と協同組合について発言。
午後はリサーチ委員会グループも参加。なんで参加したか、意味の感じられない「大人」参加者だった。もっと青年問題をリサーチしてから参加すればいいのに、結構「傲慢」な参加態度、青年と共に協同組合を作り上げていこうという姿勢が見られない、結局自分は「成功者」だとの意識が強い発言内容だった。まじめに組織事例を行った人もいたが、活動事例はさほどなし。。ヨーロッパ系だから仕方ないのかな。
ロドリゲス会長の挨拶とはかなりずれていた「大人」がわざわざ青年セミナーに出てきたとの感。(公式感想はここ
ところで、昼食は会場内別会議室でブッフェ方式。最初に食べ物を取りに行ったのが十河(前出)さん、その後私。栗木さんが呆れていた。「青年のセミナーなのに...」まぁ、おじさんは飢えているんですね。テーブルに灰皿が置いてあったので吸ってしまった、私一人だけが。う〜ん、拙かったかも知れない。
ちなみに、青年以外でこの青年セミナーに出ていた日本人は、大野、栗木、十河、森田の各氏と私。
夕食は田中学先生(大学生協連会長)が到着するというので、随行してきた覧塔さんと一緒に。いろいろ回ったが、結局1日目と同じ、ホテル近くのカルビ専門店へ。

10月14日(日)

午前は9時から私が議長となっている「アジア太平洋地域大学生協サブ委員会」の会議。先の6月の青年セミナーの総括、および今後の大学生協委員会の活動と青年セミナーとの関連等を論議した。ここで画期的なこと、大野常務理事が初めてカントリー・レポートを英語で報告した。
昼食は各自。会場前の日式食堂「竹山(たけやま」でシャケの塩焼き定食を食べる。
午後は2時から「アジア太平洋地域生協委員会」の会議。議長の日生協副会長田中尚四さんが健康上の理由で欠席のため、副議長の私が開会挨拶。
途中、CICOPAの執行委員会を覗いてみる。菅野正純労協連理事長、玄幡真美国際部員の他、石塚さんも参加していた。またも三役側はCICOPA-ASIAの結成を迫っていて、結局、交流を基礎とする緩やかな組織づくりから始めるということになった、という。ここで初めて Bruno Roelants さんと会う。また、中国・上海から数人の代表者が参加していた。「上海希盟商務咨詢事務所」(Shanghai Ximeng Coopertive Economic Consulting Agency)というところから、陶勇(Tao Yong)董事長、張佩霞(Zhang Pei Xia)副団長、趙鴻根(Zhao Hong Gen)秘書長の方々。
夜は7時から、ICA青年コーディネータ会議が開かれ、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、西アフリカの地域事務局+韓国の趙南国さんが集まった。まぁ、青年セミナーを実施してきたアジアとICA本部とのギャップが明らかになった会議と言えよう。無駄な会議でもやらざるを得ないこともある。
夜おそく食事に出ても、日曜日のため余り食堂が開いていない。たまたま入った食堂は英語・日本語は全く通じず、こっちも言えるのは「メクチュ(麦酒)」「ソジュ(焼酎)」位なもので、それでも「カムジャタン」を食する。カムジャとはジャガ芋のことだそうな。でも内容は牛の背骨付き肉の味噌スープで、これがうまい、とても狂牛病で騒がれている日本では食べられない。
食事後ホテルに帰ってきたら学生達に会った。ICA本部のセミナー担当ファンジャさんと論争していたという。

10月15日(月)

アジア太平洋地域大学生協サブ委員会」プログラム最終日。ソウル市内の世宗大学校(Sejong University)生協を訪問。理事長の金Sang Kookさんは体育学科教授。
昼食は教職員食堂メニューで。
午後1時半にCOEXに戻り、まず、ICAの登録場所(COEX-3階)に行く。実は、開会式に金大中韓国大統領が挨拶に来るというので、開会式会場には韓国公安の許可証がなければ入れない。私には許可証が出ていなかったのである。パスポート番号が違っていたとか名前が違っていたとかの理由で。まだ許可証は出ていなかった。どうもOKAYASUがOKAMOTOとなっていたかららしい。「あす開会式前には発行されると思います」と言われ、CICOPAの会員総会会場に行く。
会場に行ったところ、ほぼ終了を迎えていた。参加していた菅野、玄幡両氏はまだ昼食を食べていないと言うので、会場近くの定食屋に入り、カムジャタン(前出)を食した。
その後、夕方のウェルカム・パーティーまで時間があるので「景福宮」を見学に行く。片道1時間位かかってタクシーで15,000ウォン。ここで大阪いずみ市民生協の榎理事長と遭遇後、別の民族博物館を見てタクシーで戻る。
しかし、大渋滞でパーティ会場に着いたのは7時前になってしまった。もはやパーティーは終わりに近かった。ここで、他の労協代表団と出会う。労協のユースセミナー参加者にも明日の開会式の入場許可証が出ていないらしい。
夕食は、庄司東大生協理事長、和田同専務、浅岡東事連理事長、大本同役員室長達と食事。普通の定食屋で。
この日は、日本の小泉首相が日帰り訪韓。TVニュースあり。

10月16日(火)

ICA総会の第1日目開会式会場入場許可証をもらうため早めにホテルを出る。COEX-3階に行ったらまだ出ていない。青年セミナー参加者の3人も発行を待っていた。20分ほど1階の喫茶店で本を読んで時間をつぶし3階に行ったところ、OKAMOTOのMOTOをYASUと見え消しをとしたものを受け取りそのまま会場に入る。
鈴木(牧野)さん達は結局発行されなかったが、ずーっと待っていたのでパスポートを見せて入れてもらえたという。一人はギリギリにきて入れてもらえなかったという。
また開会式は「バッテリー付きのカメラ類は持ち込み禁止」となっていた。日本農業新聞の斉藤さんは韓国外の記者だけ禁止するのはおかしい!と、怒ってらした。
ICA総会開会式なのに、参加登録者が別の許可証なしには入れないというのでは、国際会議の開催国足り得ないのではないかと率直に思う。まぁ、顧みればICA参加登録から会場入場までパスポートを見せることはなかった、という事実もあるが。
中に入るとカメラを持った人もいる、ビデオカメラまでも。どうも乾電池入りの小さなカメラ(常人が持つスナップ用カメラ)なら、入るときに下を向けてシャッターを切って安全性(武器ではないということ)を確かめた場合は携帯できたらしい。確かにバッテリーとドライバッテリーは少々違う。
要するに「中途半端な厳戒態勢」と言ったところか。
開会式で座った場所は前が韓国農協の人たち(3列)だけの中央席。
夕方は、ICA会長による新加入会員歓迎のパーティー。食事を期待したが、11団体の新メンバーを紹介しICA旗を手渡して終了。CICOPA会議で会った人たちも新メンバーとして参加していた。
結局お腹も空いて、ホテルに戻りカムジャタンを食べに行く。こんなに牛の脊髄スープを食って、狂牛病は大丈夫なのかしら?

10月17日(水)

ICA総会の第2日目。労協からの参加者の多くは今日帰国。
午前は分科会に分かれていたので、第3分科会「サービス・コープ」に出る。発表者はフィリピンのリチャード君の「障害者の生活にとっての協同組合の役割」や、イタリア・レガコープの「高齢者問題〜社会的協同組合」、イギリスのITコープなど彩りのある興味ある内容であった。
勝部さんもこの第3に参加されていて、第九の活動や高齢協連発足(11月3日)準備などを発言された。もちろん菅野・玄幡両氏も参加。
学生の参加も青年セミナーと連動させるならばこの第3であったが、同時通訳は第1「フード・コープ」だけだったのでそちらに参加。
昼食は菅野・玄幡両氏と会場近くの定食屋で。1食4000ウォン(400円)で食べられる値ごろ感のある店だった。
午後はICA総会の定例議題。事業報告、財務報告、役員選挙等々。
この間、青年セミナーのまとめが別会場であったのでそちらを覗く。参加者はかなり減っていた。次回のICA総会はノルウェイのオスロ、そこでの青年セミナーのテーマをどうするか等々を論議していた。
午後7時からはフェアウェル・パーティー(歓送晩餐会)始まる。今総会で辞任したロドリゲス前会長、バルベリーニ新会長等の挨拶。
最終日のテーブルは、大学生協連と労協連、それにフィリピンBBMCのリチャード君が囲んだ。学生はユースセミナー参加者と一緒のテーブルで。
最後に、ロドリゲス前会長とのツーショット

オシマイ

10月18日(木)

帰国の途につく



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